2020年01月13日

夢による継承―ケサル王の物語

 睡眠開発計画 参加者諸君!
 睡眠開発計画 支部局長 SF Kidである!

 すっかりご無沙汰してしまって申し訳ない。
 その間、諸君の睡眠開発計画の進捗状況はどうだったであろうか。

 本来このメルマガは、一か月に2回ある二十四節気のうちどちらかに配信するの
を目安としている。
 しかし、今月5日の小寒も20日の大寒も発行できなかった。
 メルマガの発行間隔が空きすぎるのも良くないと思い、今回急きょメルマガを特
別に配信させて頂いた。

 これは本来、年末にブログに書く予定だったテーマなのであるが、書けずに年を
越してしまったテーマである。
 何とも計画性のないことであるが、睡眠に関心のある読者諸君にとってなかなか
興味深いテーマだと思う。

 ◎ チベット「ケサル王の物語」 ★ミ


 2004年11月26日のさる新聞に、

神秘の口承叙事詩残せ
  語り手の減少で危機
  チベット「ケサル王の物語」

という記事が掲載された。
 この記事で触れられている少々不思議なエピソードは、睡眠について関心を持つ
人々にとって、知っておくべき内容かと思う。
 そこで、この記事を紹介してみたい。

「ケサル王の物語」とは、チベットからモンゴル、パキスタン北部まで広まり、先
祖代々受け継がれてきた英雄叙事詩…だと説明されている。
 物語は「誕生の部」「即位の部」などに分かれ、全部で200部程度あるらしい。
 そしてこの物語は、文字で記録されていなくて、代々口承で伝わってきたという。

 全部で200程度もある物語というと、人から人へ伝わっていくうちに初めに同じで
あった物語に変化が生じることもあるのだろうか。
 それとも、文字がなく口承で覚える文化は、我々が思っている以上に記憶力が良
くて、変化が起こらないものだろうか。
 その辺はよく分からない。

 また、この伝説の代々の継承に関して特筆すべきことは、夢をみることがきっか
けとなって物語を話せるようになる人がいる、ということである。
 そのような語り手は「神授芸人」と呼ばれ、神から特殊な能力を授けられた人だ
と信じられているという。
 この記事では、そういった「神授芸人」について、3人の事例を紹介している。

Aさん……14歳の中学1年生。
     家族に読み書きができる者はいなくて、成績も中の下くらい。
     3年前、夢で物語を知り、物語を語り始めた。
     最年少の語り手と認定される。
     その後、話せる物語が増え、今では18の物語を語れるようになった。
Bさん……84歳。自分の名前も読み書きできないが、最多の67部もの物語を話すこと
    ができる。13歳の時に見た夢がきっかけという。
Cさん……9歳の時に見た夢をきっかけに35部を話すようになった。
     17部を文字として記録した後、81歳で死亡した。

 こういった「神授芸人」については、1980年代初めには26人確認されていたが、
そのうち文字化された物語は全体の半分程度とみられ、神授芸人も今では8人に減っ
てしまった。
 口承文化であるケサル王の物語の保存は、語り手の減少により、時間との戦いな
のである。

「テレビやパソコンなど現代文明の影響に伴い、語り手の誕生も減る一方で、保存
作業は時間との戦いだ」

という専門家のコメントが紹介されている。
 しかし、そういった現代文明を逆に利用して保存することはできないのだろうか。
 例えば、現代は優れた録画機器や録音機器があるのだから、それによって神授芸
人が語っている場面を映像や音として保存し、後でそれを文字化することができそ
うなものだが。

 また、ケサル王の物語の継承は、神授芸人だけによってなされてきたものだろう
か。
 親や師匠から聞かされて覚えるという、他の地域では一般的な口承で覚えた語り
手はいないのだろうか。
 この記事では、その辺については触れられていなかった。

 しかし、経験によって会得するのではなく、夢を見ることによって会得するとい
うのは興味深い。

 もちろん、
「夢はきっかけにすぎず、それまでにも別の語り手から物語を聞くなどの「接触」
があったと考えられる」

という専門家の指摘も紹介されている。
 現代科学では、「出生前の記憶」「前世の記憶」について、このような説明がさ
れることが多い。

 しかし上で紹介したAさんの事例についてに当てはまるが、
「チベット語のレベルも低く、人生経験も乏しい子供など説明が難しいケースもあ
る」

というコメントも付されている。
 「出生前の記憶」「前世の記憶」についても、説明可能な事例を除いていっても、
どうしても「出生前の記憶」「前世の記憶」があるとしか思えない、という事例
も残るのである。
 この神授芸人の事例でも、ユングの言う「集合的無意識」や、オカルトの分野で
いう「アカシック・レコード」などという概念と結びつけられないか。

 どこか遠いところ、意識の深い部分に「ケサル王の物語」という記憶があり、そ
こに睡眠中に健在意識から開放された潜在意識の深い部分がアクセスする、という
イメージである。

 もしそういったことが可能であるとすれば、もし無意識の部分で人類の記憶がつ
ながっているとするならば、我々も無意識の部分で人類の英知にアクセスできるか
もしれない。
 しかしそう簡単にはいかないことは、「神授芸人」が尊敬されてきたチベットで
すら、夢で物語を会得する「神授芸人」はごくわずかで、そのためにケサル王の物
語の語り手が減少し、伝説の継承が危ぶまれていることからも分かる。

 ただ、睡眠や夢を活用することで究極的にはこのようなことも可能である、とい
う事例として知っておくのも貴重なことではなかろうか。

  [wikipedia:ケサル王伝]

ケサル大王物語―幻のチベット英雄伝 (世界の英雄伝説)
ケサル大王物語―幻のチベット英雄伝 (世界の英雄伝説)

以上、
2005年01月 24日 に発行したメルマガ
睡眠開発計画  −35 夢による継承―ケサル王の物語
から抜粋しました。


 

   
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posted by SF Kid at 12:46| Comment(0) | メルマガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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